はじめに
リモートワークや動画視聴が当たり前になった今、Wi-Fiの速度が遅いとストレスが溜まりますよね。特に**マンションに住んでいると「なぜか夜だけ遅くなる」「部屋によってつながりにくい」**といった悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。実はその原因、建物の構造や間取りにあるかもしれません。この記事では、マンション特有のWi-Fi問題とその改善策を紹介します。
鉄筋コンクリートは電波が通りにくい
マンションの多くは鉄筋コンクリート造(RC造)。この構造は遮音性に優れている反面、Wi-Fi電波(2.4GHz/5GHz)を遮る性質があります。とくに壁や床に鉄筋が入っていると、隣の部屋に電波が届かないことも。
対策のヒント
- ルーターの設置場所は「中心に近い位置」で、高い棚の上など遮蔽物の少ない場所に置く
- 5GHzよりも「2.4GHz」のほうが壁に強いが、速度は落ちるため用途に応じて切り替える
隣人と“回線を共用”している場合がある
マンションタイプのインターネット回線(特にVDSLやLAN配線方式)は、同じ建物内で帯域を分け合う構造になっています。夜間に一斉に動画を見たりゲームをしたりすると、通信速度が急激に落ちることも。
対策のヒント
- 管理会社やプロバイダに「光回線の戸別引き込み(光配線方式)」に対応しているか確認
- 可能なら個別契約で「IPv6(IPoE)」接続を選択することで混雑を回避
中継器・メッシュWi-Fiで“部屋ごとの遅さ”を改善
寝室だけつながりにくい、玄関側は弱い、という悩みにはWi-Fi中継器またはメッシュWi-Fiの導入が効果的です。メッシュWi-Fiは1つのネットワークとして複数台のルーターが連携するため、途切れにくく自動で最適な電波に接続してくれます。
どちらを選ぶ?
- 部屋数が少ないなら「中継器」で十分
- 部屋数が多い・壁が多い・上下階にまたがる間取りなら「メッシュWi-Fi」がおすすめ
ルーターの“寿命”にも注意
意外と見落とされがちなのが、ルーター本体の経年劣化。安価なルーターだと、同時接続台数が少なく、接続が安定しないこともあります。メーカー推奨の寿命は3〜5年程度。
チェックポイント
- 5年以上前のルーターなら、買い替えを検討
- 最新のWi-Fi6対応ルーターなら、複数端末の同時通信でも安定しやすい
ケーブルも“見直しポイント”になる
LANケーブルや電話線の規格が古いと、回線自体は速くてもボトルネックになっていることがあります。とくにVDSL方式では「壁の差込口」からモデムまでのケーブルの品質が重要です。
改善のコツ
- LANケーブルは「CAT6」以上を選ぶ(CAT5では速度制限の可能性)
- 電源タップやUSBアダプタも“粗悪品”だと通信に悪影響を与える場合あり