「収納たっぷり!」のはずが…
新築やリノベーション物件でよく見かける「ウォークインクローゼット(WIC)」。
“収納力が高くて便利そう”と人気ですが、実際に住んでみて「意外と使いづらい…」と感じる声も少なくありません。
せっかくの広い収納スペースが、思っていたほど活かせない理由とは?
この記事では、WICの“ありがちなギャップ”と、後悔しないための視点を解説します。
ウォークイン=「歩ける」=「広い」と思いがちだが…
ウォークインクローゼットの特徴は、人が中に入れるほどの空間を収納として確保していること。
見た目にもゆとりがあり、**「収納力が高そう」**という印象を与えます。
しかし、“歩ける=使いやすい”とは限らないのが実情です。
よくある“使いづらさ”の正体
奥行きがある分、デッドスペースが多い
- 奥のほうにしまった物が取り出しにくくなる
- ハンガーパイプが片側だけで“反対側の壁”が空いてしまう
- 「通路」として確保されたスペースが、“収納として使えない”ままになりがち
→ 結果的に「たくさん入るように見えて、実はそれほど入らない」という状態に。
照明が暗くて、中が見づらい
- WIC内に照明があるものの、奥まで光が届かず、服の色がわかりにくい
- 窓がない場合がほとんどなので、日中でも暗いまま
→ 毎日の服選びがストレスになることも。
湿気がこもりやすく、においやカビの原因に
- 換気が弱く、空気がこもりがち
- ドアで仕切られているため、空調の効きも悪い
→ とくに壁に面した位置や北側にあるWICは要注意。防湿対策が必要です。
入り口が部屋の奥にあると、動線が悪くなる
- 寝室の一番奥にあり、服を取りに行くのが面倒になる
- 家族で共有するには不便な配置も
→ 「おしゃれに見えても、生活の流れに合っていない」と感じる原因に。
後悔しないWICの選び方・見方
では、どうすれば「使いやすいWIC」に出会えるのでしょうか?
■ ハンガーパイプと棚の配置をチェック
→ 両側に収納があるか?高さや奥行きは?取り出しやすさが鍵。
■ 照明の位置・明るさを見る
→ LEDの色味や設置位置も確認。可能なら人感センサーも便利。
■ 換気口の有無やドアの構造に注目
→ 換気扇付きか、スリット付きのドアか、通気を確保しているかを確認。
■ 通路の幅は最小限で良い
→ “歩けること”より“モノが置けること”の方が大事。幅広すぎても活かせない。
「広さ」よりも「使いやすさ」
ウォークインクローゼットは、間取り図で見るととても魅力的に映ります。
でも、実際に使う場面をイメージしてみると、“思っていたほど便利じゃない”ことも少なくありません。
収納は「広ければいい」というものではなく、“何をどう収めるか”が決め手。
WICを検討するときは、見た目だけでなく、日常の使い勝手や収納のしやすさにもしっかり目を向けてみましょう。