マンション選びで“最初の分岐点”とも言えるのが内見。
とくに中古マンションは「図面や写真だけではわからない部分」が多いため、実際に見に行くことが極めて重要です。
でも、多くの人が「目に見える条件」にばかり意識が向いてしまい、住み始めてから気づく後悔ポイントを見落としがち。
この記事では、不動産のプロがよく見る“地味だけど大切なチェックポイント”をまとめました。
窓の外、何が見えるかより「何が聞こえるか」
つい眺望ばかりに目が行きがちですが、実は音環境の確認がかなり大事です。
窓を開けてみて…
- 幹線道路や線路、学校、公園などからの音が気にならないか
- 上階や隣室からの生活音はどうか
- 建具の気密性で外音がどのくらい遮られるか
とくに“昼間は静かでも、夜間や休日にうるさくなる”場所もあるため、複数の時間帯での確認が理想です。
窓が開けられるとは限らない
内見時に「採光はOK」と感じても、開けられない窓や、実質的に機能していない窓も多くあります。
- 隣の建物が近すぎて風が通らない
- 非常用扉で常時開放できない
- 北側で湿気がたまりやすい
図面では“窓”として描かれていても、換気や通風に寄与していないケースは珍しくありません。
水まわりのにおい、排水音にも注意
築年数の経った物件では、配管や排水設備に起因するにおいや音の問題も。
- 洗面所や浴室、トイレのにおい
- キッチンで水を流したときの“ごぼごぼ音”
- 他の住戸の水利用が聞こえてくるかどうか
「使ってみないとわからない」ポイントですが、空室でも水を少し流させてもらうことができる場合もあるので、不動産会社に相談を。
コンセントと照明の位置が“生活動線に合っているか”
案外忘れられがちですが、家具配置や家電使用の自由度を左右する重要ポイントです。
- コンセントが少なすぎないか
- エアコン用の配線がすでにあるか(特にリビング・寝室)
- ダイニング照明がテーブル予定位置と合っているか
「ここにテレビを置きたいけどコンセントがない」「天井照明が真ん中じゃない」など、住み始めてからの不便が起こりやすい項目です。
共用部・ゴミ置き場の位置と動線
部屋の中だけでなく、共用部の導線や雰囲気も重要です。
- ゴミ置き場が遠すぎないか(特に雨の日に負担)
- エレベーターの位置と動線はスムーズか
- 掲示板や共用廊下の清掃状態、住人のマナーが感じ取れるか
物件全体の「空気感」は、生活満足度を大きく左右する見えにくい要素です。
「パッと見」で満足しない目線を
中古マンションの内見は、「雰囲気」や「間取りの広さ」だけでは判断できません。
長く住むことを想定するなら、生活のリアルなシーンに落とし込んだチェック視点が欠かせません。
“住み始めてから後悔しない”ために、ぜひこれらのポイントを意識して内見してみてください。
見る目が変われば、選び方もきっと変わってきます。