マンションの間取りを見ていると、ときどき目にする「ルーフバルコニー付き」の住戸。
普通のバルコニーよりかなり広く、
テーブルと椅子を置けそう
子どもが遊べそう
ガーデニングを楽しめそう
と、魅力的に見えます。
特に中古マンションでは、同じ建物の中でも一部の住戸にしか付いていないことがあり、希少性を感じる設備です。
一方、実際に購入するとなると、
「何を置いてもいいの?」
「雨漏りしやすくない?」
「毎月使用料がかかる?」
「広くても結局使わなくなる?」
といった疑問も出てきます。
ルーフバルコニーは広ければ広いほどいい、とは限りません。
購入してから「思っていた使い方ができなかった」とならないように、普通のバルコニーとの違いから確認していきます。
- ルーフバルコニーとは?
- 広くても「自分の土地」ではない
- 最大の魅力は圧倒的な開放感
- 洗濯物や布団を干すスペースには余裕がある
- ガーデニングとの相性はいい
- 子どもの遊び場にできる?
- BBQはできる?
- テーブルや椅子は置ける?
- 思っている以上に風が強いことがある
- 日差しも強くなりやすい
- 水を大量に使う使い方にも注意
- ルーフバルコニーには使用料がかかることがある
- 掃除する面積もかなり増える
- 排水口の掃除は特に重要
- 下の階への水漏れが気になる
- 勝手にウッドデッキを作っていい?
- 大規模修繕では物を撤去することも
- 避難経路をふさいではいけない
- 広いのに意外と使わなくなる可能性もある
- ルーフバルコニー分は専有面積とは別に見る
- ルーフバルコニー付き住戸は価格差も確認する
- 中古マンションの内見で確認したいこと
- 「何をしたいか」を決めてから選ぶ
ルーフバルコニーとは?
ルーフバルコニーは、下の階の屋根部分を利用して設けられたバルコニーです。
マンションの建物が階段状になっているところを想像すると分かりやすいでしょう。
下階の住戸の上に、上階の住戸のルーフバルコニーがある形です。
一般的なバルコニーより奥行きや面積が大きく、
10㎡
20㎡
30㎡
など、かなり広いスペースが確保されている物件もあります。
リビングの前に大きな屋外空間が広がっている間取りは、普通のマンションにはない魅力があります。
広くても「自分の土地」ではない
ここは最初に知っておきたいところです。
分譲マンションのバルコニーは、一般的に共用部分として扱われ、その住戸の居住者が専用使用できる形になっています。
ルーフバルコニーも同様です。
自分の部屋からしか出入りできないからといって、
「購入した自分のスペースだから自由に改造できる」
とは限りません。
マンションごとの管理規約や使用細則に従って利用する必要があります。
専有面積が70㎡でルーフバルコニーが30㎡あるからといって、「100㎡を自由に使える住戸」と考えるのは少し違います。
最大の魅力は圧倒的な開放感
ルーフバルコニー付き住戸の大きなメリットは、やはり開放感です。
普通のバルコニーより奥行きがあるため、室内から見たときにも空間が広く感じられます。
特に、
リビングとルーフバルコニーがつながっている
周囲に高い建物がない
角部屋になっている
といった住戸なら、かなり開放的です。
マンションに住みながら屋外空間も欲しい人にとっては、魅力的な条件でしょう。
戸建ての庭とは違い、高い位置から景色を楽しめるのも特徴です。
洗濯物や布団を干すスペースには余裕がある
通常のバルコニーでは、
洗濯物を干したらほかに何もできない
ということがあります。
ルーフバルコニーなら面積に余裕があるため、洗濯物を干しても空間が残りやすくなります。
家族が多く、洗濯物の量が多い家庭には便利です。
ただし、物干し器具をどこにでも自由に設置できるとは限りません。
手すりへの布団干しを禁止しているマンションもあります。
広さがあっても、実際の使い方は管理規約を確認しましょう。
ガーデニングとの相性はいい
広い屋外スペースを見ると、
「ここで植物を育てたい」
と思う人も多いでしょう。
通常のバルコニーより鉢植えを配置する余裕があり、日当たりが良ければガーデニングを楽しみやすい環境になります。
ただし、注意点もあります。
大量の土を使う大型プランター
重量のある鉢
背の高い植物
風で倒れやすいもの
などは慎重に考える必要があります。
また、排水口へ土や枯れ葉が流れると詰まりの原因になります。
広いからといって庭とまったく同じ感覚では使えません。
子どもの遊び場にできる?
ルーフバルコニーを見て、
「子どもを遊ばせられる」
と考える家庭もあると思います。
確かに室内より広く、外へ出なくても遊べるのは魅力的です。
ただし、マンションでは下の階に住人がいることを忘れてはいけません。
ルーフバルコニーの床は、下階から見れば屋根や天井に近い位置です。
子どもが走る
ボールをつく
硬いおもちゃを落とす
といった行為が騒音トラブルにつながる可能性があります。
また、高層階なら転落防止にも十分な注意が必要です。
「広いから自由な遊び場」と考えるのは避けた方がいいでしょう。
BBQはできる?
ルーフバルコニーがあると、BBQを想像する人もいるかもしれません。
しかしマンションでは、火気の使用を禁止しているケースがあります。
さらに火を使わなくても、
煙
におい
話し声
が周囲の住戸へ広がります。
自分のルーフバルコニーが広くても、その上や横には別の住戸があるかもしれません。
ルーフバルコニー付きだからBBQができるとは考えず、必ず管理規約を確認しましょう。
テーブルや椅子は置ける?
ルーフバルコニーにテーブルと椅子を置いて、
朝にコーヒーを飲む
休日に読書する
夕方に外でくつろぐ
という使い方は魅力的です。
ただし、屋外家具を置くなら風への対策が必要です。
特に高層階や周囲が開けた場所では、想像以上に強い風が吹くことがあります。
軽い椅子や小物が飛ばされれば非常に危険です。
台風が近づいたときに室内へ移動できるサイズなのかも考えておきましょう。
「置けるか」だけでなく「強風時にどうするか」まで考えて家具を選ぶ必要があります。
思っている以上に風が強いことがある
ルーフバルコニーは普通のバルコニーより開けていることがあります。
開放感という意味ではメリットですが、同時に風の影響を受けやすくなります。
内見した日が無風だったとしても、普段も同じとは限りません。
特に、
角部屋
高層階
周囲に高い建物がない
といった住戸では確認しておきたいポイントです。
植物をたくさん置きたい人や、屋外家具を使いたい人にとっては、日当たり以上に重要になることがあります。
日差しも強くなりやすい
周囲に遮るものが少ないルーフバルコニーでは、日差しも強くなります。
夏の昼間には床面がかなり熱くなることがあります。
「広いバルコニーで夏も快適に過ごせそう」
と思っていたのに、実際には暑すぎて昼間はほとんど外に出ないということも考えられます。
方角によっても違います。
南向き
西向き
東向き
では日差しが入る時間が変わります。
ルーフバルコニーの面積だけでなく、どちらを向いているかも確認しましょう。
水を大量に使う使い方にも注意
広いルーフバルコニーを見ると、
大きなビニールプールを置きたい
と思う家庭もあるでしょう。
しかし、これは自己判断で行わない方がいい使い方の一つです。
大量の水をためれば重量が増えます。
排水するときには一度に大量の水が流れます。
子どもの声や水音が周囲への迷惑になる可能性もあります。
マンションによっては禁止されていることも考えられます。
プールに限らず、大量の水や重量物を使う場合は管理規約などを確認しましょう。
ルーフバルコニーには使用料がかかることがある
通常のバルコニーでは意識しないことが多いですが、ルーフバルコニーでは月額の専用使用料が設定されているマンションがあります。
例えば物件情報に、
ルーフバルコニー使用料 月額○○円
などと書かれているケースです。
一回の金額はそれほど大きくなくても、マンションを所有している間は継続して発生します。
仮に月1,000円なら、
1年で12,000円
10年で120,000円
30年で360,000円
です。
管理費や修繕積立金だけでなく、こうした固定費も購入前に確認しておきましょう。
掃除する面積もかなり増える
広いということは、それだけ掃除する場所も増えるということです。
屋外なので、
砂
ホコリ
落ち葉
鳥のふん
などが入ってきます。
周囲に木が多ければ、季節によって大量の葉が飛んでくることもあります。
普通のバルコニーなら数分で終わる掃除でも、20㎡や30㎡あればそれなりの作業になります。
「何をして楽しむか」だけでなく、
「誰が掃除するのか」
も考えておいた方がいい設備です。
排水口の掃除は特に重要
ルーフバルコニーには雨水を流すための排水口があります。
ここに、
落ち葉
ゴミ
土
などがたまると、水が流れにくくなることがあります。
特にガーデニングをする場合は注意が必要です。
大雨や台風の前には排水口周辺を確認しておきたいところです。
広いルーフバルコニーだからこそ、雨が降れば集まる水の量も多くなります。
普段ほとんど外へ出ない人でも、排水口の状態まで放置しないようにしましょう。
下の階への水漏れが気になる
ルーフバルコニーの下には、別の住戸がある場合があります。
そのため、
「防水が劣化したら下の階へ水漏れするのでは?」
と心配になるかもしれません。
ルーフバルコニーは建物の防水に関係する部分なので、マンション全体として適切な維持管理が必要です。
中古マンションなら、
大規模修繕の履歴
防水工事の実施時期
過去の漏水トラブル
などを確認できると安心です。
特に築年数が経過しているマンションでは、長期修繕計画も確認しておきたいところです。
勝手にウッドデッキを作っていい?
ルーフバルコニーをおしゃれにしたくて、
ウッドデッキ
人工芝
タイル
などを敷きたくなることがあります。
しかし、ここでも共用部分であることを忘れてはいけません。
マンションによって使用できるものや施工方法にルールがある可能性があります。
また、床全面を覆ってしまうと、
排水口を確認しにくい
防水層の点検がしにくい
大規模修繕時に撤去が必要
といった問題も出てきます。
購入後すぐDIYするのではなく、管理規約や管理会社への確認を先に行いましょう。
大規模修繕では物を撤去することも
マンションでは定期的に大規模修繕が行われます。
バルコニーの防水や外壁などを工事するときには、置いてある物の移動を求められることがあります。
ルーフバルコニーいっぱいに、
鉢植え
棚
テーブル
椅子
大型プランター
などを配置していると、そのときに困ります。
普段は広くて便利でも、工事のときにはすべて移動しなければならない可能性があります。
特に大量の植物を育てたい人は、「修繕時にどこへ移動させるか」まで考えておくと安心です。
避難経路をふさいではいけない
通常のバルコニーと同様、ルーフバルコニーも災害時の避難に関係することがあります。
避難ハッチ
隣戸との隔て板
などが設置されている場合、その周囲を物でふさいではいけません。
面積が広いと、
「この隅なら大丈夫だろう」
と収納などを置きたくなります。
しかし、自分にとって邪魔にならなくても、非常時には問題になる可能性があります。
購入したら最初に避難設備の位置を確認しておきましょう。
広いのに意外と使わなくなる可能性もある
ルーフバルコニー付き物件で一番考えておきたいのが、
「本当に使うのか?」
ということです。
物件を見たときには、
朝食を食べる
ガーデニングする
休日に読書する
星を見る
など、いろいろな使い方を想像します。
ところが実際には、
夏は暑い
冬は寒い
風が強い
家具を毎回拭くのが面倒
虫が気になる
などの理由で、ほとんど外へ出なくなることも考えられます。
それでも眺望や開放感だけで満足できるなら問題ありません。
「屋外で何かすること」を前提に高い価格を払うなら、本当にその生活を続けそうか一度考えてみましょう。
ルーフバルコニー分は専有面積とは別に見る
物件広告では、
専有面積 70㎡
ルーフバルコニー 30㎡
などと表示されることがあります。
数字だけ見ると非常に広く感じます。
しかし、30㎡のルーフバルコニーを室内30㎡と同じように使えるわけではありません。
エアコンの効いた部屋でもなければ、収納スペースでもありません。
物件価格を比較するときには、
室内として使える専有面積
と
屋外のルーフバルコニー
を分けて考えましょう。
ルーフバルコニー付き住戸は価格差も確認する
ルーフバルコニー付き住戸は数が限られるため、同じマンションの中でも価格が高くなることがあります。
そこで比較したいのが、似た広さの通常住戸です。
例えば、
ルーフバルコニー付き70㎡
と
普通のバルコニー付き75㎡
が同じ価格なら、どちらが自分の生活に合うでしょうか。
屋外空間を重視する人なら前者。
収納や室内の広さを重視する人なら後者。
という選び方もできます。
「希少なルーフバルコニー付きだから」という理由だけでなく、そのために何を諦めるのかも比較しましょう。
中古マンションの内見で確認したいこと
ルーフバルコニー付き中古マンションなら、実物を確認できるのが大きなメリットです。
内見では、
- 実際の広さ
- 日当たり
- 風の強さ
- 周囲からの視線
- 隣の住戸との位置関係
- 排水口の位置と状態
- 避難設備の位置
- 床面の状態
- 植物などを置ける範囲
- 管理規約上の使用制限
- 月額の専用使用料
- 過去の防水工事
- 大規模修繕時の扱い
などを確認してみましょう。
できればルーフバルコニーへ実際に出てみることも大切です。
室内の間取り図で30㎡を見るのと、屋外で30㎡を見るのでは印象がかなり違います。
「何をしたいか」を決めてから選ぶ
ルーフバルコニー付きマンションは魅力的です。
広い屋外空間があり、開放感は普通の住戸ではなかなか得られません。
一方で、
掃除が必要
風の影響を受ける
使用方法に制限がある
専用使用料がかかる場合がある
大規模修繕時には物を移動する必要がある
といった面もあります。
そこで購入前に一度、
「ルーフバルコニーで何をしたいのか」
を具体的に考えてみてください。
ガーデニングをしたいのか。
外でくつろぎたいのか。
洗濯物をたくさん干したいのか。
単純に窓からの開放感が欲しいのか。
目的がはっきりすれば、そのマンションの管理規約で実現できるか確認できます。
逆に「なんとなく広くて良さそう」だけなら、その面積を室内の広さや立地に振り分けた物件の方が満足できる可能性もあります。
ルーフバルコニーは、広さそのものより「その広さを実際に使えるか」で価値が大きく変わる設備です。

