見た目はキレイ。でも「中身」も安心?
中古マンション市場で人気の選択肢となっている「リノベーション済み物件」。
内装が新築のように生まれ変わっていて、家具を置けばすぐに生活を始められる手軽さが魅力です。
しかし、「キレイだから安心」と決めつけるのは少し早いかもしれません。
この記事では、リノベ済み物件のメリットとあわせて、見落としがちな注意点を紹介します。
リノベ済み物件の“うれしいポイント”
まず、メリットを整理しておきましょう。
- キッチンやバス、床材などが新品同様
- 壁紙や建具も交換されていて、清潔感がある
- 自分でリフォームする手間や費用が不要
- 間取り変更が済んでいて、暮らしやすい設計になっていることも
こうしたポイントはとても魅力的で、「中古だけど、ほぼ新築みたい」と感じる方も多いはずです。
でも、“新しく見える”だけでは判断できないことも
一方で、リノベ済み物件には以下のような見落としやすいリスクがあります。
見えない部分の劣化がそのままかもしれない
- 給排水管や電気配線など、“壁の中”にあるインフラがそのままのケースも
- 古い配管は漏水の原因になることがあり、リノベ内容に「設備更新」が含まれているか確認が必要
→ 購入前に「どこまで改修されたか」の仕様書を確認しましょう。
見た目優先の「表面リノベ」もある
- フローリングや壁紙の張り替えだけで“全面リノベ”と称されている物件も存在
- 細かい施工精度が雑で、引っ越し後に不具合に気づくことも
→ 信頼できる施工業者が担当しているかも、重要なチェックポイントです。
築年数が古ければ“建物全体の寿命”は変わらない
- リノベして室内はきれいでも、建物の耐震性や躯体の劣化状況は別問題
- エントランス・外壁・エレベーターなど、共用部は“古いまま”のことが多い
→ マンション全体としての「長期修繕計画」「管理体制」にも目を向けましょう。
購入前に確認したい3つのポイント
- リノベ内容がどこまで含まれているか
→ 配管、断熱、設備交換などの有無を仕様書で確認。 - リノベ施工会社の信頼性
→ 大手リノベ会社か、売主直施工か。アフター保証の有無もチェック。 - 建物全体の管理状況と将来性
→ 修繕履歴、管理組合の動き、積立金の残高なども確認対象。
リノベ済み=“全部安心”ではない
リノベーション済み物件は、住み始めの満足度が非常に高い選択肢であることは間違いありません。
しかし、「見た目が新しいから大丈夫」と油断してしまうと、あとから思わぬ修繕費や設備不良に直面することも。
大切なのは、“どこがリノベされていて、どこがそのままなのか”を冷静に見極めること。
そして、「室内の状態」だけでなく、「建物そのもののコンディション」「管理状況」にも目を向けましょう。
安心して長く暮らすために、キレイさの裏側にある“本当の価値”を見抜く目線が大切です。