中古マンションを購入するとき、間取りや設備と同じくらい確認しておきたいのが「管理規約」です。
ところが実際に資料を渡されると、ページ数が多く、
「全部読まないとダメ?」
「どこが重要なの?」
「普通のマンションなら内容は同じでは?」
と思ってしまうかもしれません。
管理規約には、そのマンションで暮らしていくための基本的なルールが定められています。
購入してから、
ペットを飼えなかった
希望していたリフォームができなかった
駐車場や駐輪場の使い方が想定と違った
バルコニーでやりたかったことが禁止されていた
と気付いても簡単には変えられません。
すべての文章を暗記する必要はありませんが、自分の生活に関係するところは購入前に確認しておきたい資料です。
- 管理規約とは?
- マンションによってルールは違う
- まず専有部分と共用部分の範囲を見る
- バルコニーは自由に使える場所ではない
- ペット可だけでは情報不足
- リフォーム予定なら必ず確認したい
- フローリングへの変更は特に注意
- 窓を交換したい場合も確認
- 玄関ドアも全部が自由とは限らない
- 駐車場のルールを見る
- 駐輪場も家族構成によって重要
- 玄関前に物を置けるとは限らない
- 楽器を演奏する人は確認する
- 事務所として使いたい場合も要注意
- 民泊についても確認できる
- 喫煙に関するルールも見る
- ゴミ出しルールもマンションごとに違う
- 共用施設の利用方法も確認する
- 管理費や修繕積立金についても記載されている
- 規約だけでなく使用細則も読む
- 今の生活だけでなく将来も考える
- 規約は将来変更されることもある
- 全部読む時間がないなら自分に関係する言葉を探す
- 購入前に最低限確認したいこと
- 「たぶん大丈夫」で購入しない
- 中古マンションは部屋以外の資料も見る
管理規約とは?
分譲マンションでは、一つの建物を多くの区分所有者で共有します。
そのため、一戸建てのように所有者が何でも自由に決められるわけではありません。
専有部分と共用部分の範囲や、建物・敷地の管理、管理組合の運営などについて定めているのが管理規約です。
さらにマンションによっては、より具体的な生活上のルールを「使用細則」などで定めています。
そのため購入前には、管理規約だけでなく関連する使用細則も確認しておくと安心です。
マンションによってルールは違う
「分譲マンションならだいたい同じだろう」
と思うかもしれません。
しかし実際のルールはマンションごとに異なります。
例えば同じペット可マンションでも、
飼育できる頭数
動物の大きさ
共用部分での移動方法
などが違うことがあります。
リフォームについても、
床材の条件
工事可能時間
事前申請
などのルールが設けられている場合があります。
別のマンションで問題なかったから、このマンションでも大丈夫とは限りません。
まず専有部分と共用部分の範囲を見る
最初に確認しておきたいのが、
どこまでが自分の専有部分なのか
という点です。
購入した住戸だからといって、目に入るものすべてを自由に変更できるわけではありません。
特に勘違いしやすいのが、
玄関ドア
窓
窓枠
バルコニー
などです。
室内から毎日使うため自分だけの設備に見えますが、共用部分として扱われるものがあります。
例えば窓を勝手に別の商品へ交換したいと思っても、自由にできるとは限りません。
将来的にリフォームしたい人ほど、専有部分と共用部分の境界は確認しておきたいところです。
バルコニーは自由に使える場所ではない
バルコニーも購入後に勘違いしやすい場所です。
自分の部屋からしか出入りできなくても、一般的には共用部分として扱われ、その住戸の居住者が専用使用する形になっています。
そのため、
大型収納庫を設置する
床を大きく加工する
避難経路をふさぐ
といった使い方を自由にできるわけではありません。
ガーデニングをしたい。
屋外家具を置きたい。
ルーフバルコニーを活用したい。
と考えているなら、購入前に関連する使用細則も確認しましょう。
ペット可だけでは情報不足
ペットを飼っている人、将来飼いたい人は特に確認が必要です。
物件情報に、
「ペット飼育可」
と書かれていても、それだけでは十分ではありません。
例えば、
犬・猫は○匹まで
成長時の大きさに制限
特定の動物は不可
共用部分では抱きかかえる
ペット飼育の届け出が必要
など、細かな条件が定められていることがあります。
現在飼っているペットが条件を満たすのかはもちろん、将来もう1匹飼いたい場合なども考えて確認しましょう。
リフォーム予定なら必ず確認したい
中古マンションを購入してリフォームする場合、管理規約の確認は特に重要です。
専有部分だから何でも自由に工事できるわけではありません。
マンションによって、
工事前の申請
工事可能な曜日や時間
工事業者の出入り
共用部分の養生
床材の性能
などについてルールが設けられていることがあります。
購入してから、
「この床に変更したかったのに認められない」
となると計画が大きく変わります。
リノベーションを前提に中古マンションを探しているなら、購入を決める前に希望する工事が可能なのか確認しておきましょう。
フローリングへの変更は特に注意
中古マンションでは、
「カーペットの部屋をフローリングにしたい」
というケースがあります。
ここで問題になりやすいのが床の遮音性です。
マンションでは下階への騒音対策などから、床材について条件を定めていることがあります。
見た目だけで好きなフローリングを選べるとは限りません。
全面リフォームを考えているなら、
床材に条件があるか
フローリングへの変更が可能か
を確認しておくと安心です。
窓を交換したい場合も確認
中古マンションで気になりやすいのが窓です。
築年数が経過していると、
冬に寒い
結露する
外の音が気になる
などから窓を新しくしたくなることがあります。
しかし窓やサッシは建物の外観にも関係します。
そのため個人の判断で自由に交換できるとは限りません。
断熱性能を改善したい場合には、既存窓の内側へ内窓を設置する方法などもあります。
購入後に窓のリフォームを考えているなら、どこまで変更可能なのか事前に確認しましょう。
玄関ドアも全部が自由とは限らない
玄関ドアも同様です。
室内側から毎日見るため、
「自分の家のドア」
という感覚が強い設備です。
しかし玄関ドアの外側はマンション全体の外観にも関係します。
そのためドア本体を好きなデザインへ交換するといったことが自由にできるとは限りません。
鍵を交換したい場合なども含め、どの部分まで個人で変更できるのか確認しましょう。
駐車場のルールを見る
車を持っているなら駐車場についても確認します。
重要なのは、
「駐車場あり」
だけではありません。
例えば、
使用できる車両サイズ
区画の決め方
使用料
契約方法
空き区画の扱い
などです。
特に機械式駐車場では車高や車幅、重量などの制限があります。
現在の車が入るのか、将来大きな車へ買い替えられるのかも考えておきましょう。
駐輪場も家族構成によって重要
自転車を使う家庭なら、駐輪場についても確認します。
マンションによっては1住戸で利用できる台数に制限があります。
現在夫婦で1台だけでも、
夫婦それぞれ1台
子ども用自転車
電動アシスト自転車
と増えていく可能性があります。
空いている場所へ自由に置けるとは限りません。
駐輪場の使用細則があれば、契約できる台数や利用方法も見ておきましょう。
玄関前に物を置けるとは限らない
アルコーブや共用廊下を見ると、
傘立て
ベビーカー
子どもの自転車
などを置きたくなることがあります。
しかし共用部分は、自宅の収納を拡張する場所ではありません。
特に共用廊下は避難経路にも関係します。
現在ほかの住民が置いているから、
「ここは置いていいマンションなんだ」
とも限りません。
実際の運用だけではなく、管理規約や使用細則でどう定められているかを確認しましょう。
楽器を演奏する人は確認する
ピアノなどの楽器を使う予定があるなら、楽器に関するルールも確認したいところです。
演奏できる時間帯などが決められている場合があります。
防音対策をすれば自由に演奏できるとは限りません。
現在は楽器を持っていなくても、
子どもにピアノを習わせたい
と考えている家庭なら確認しておいてもいいでしょう。
事務所として使いたい場合も要注意
在宅勤務が増え、自宅で仕事をすること自体は珍しくありません。
ただし、
会社の事務所として登記する
不特定多数の顧客が訪問する
店舗のように使用する
となると話が変わります。
マンションによっては住戸の用途について制限があります。
自宅兼事務所のような使い方を予定しているなら、購入前に確認しておきましょう。
民泊についても確認できる
自分が民泊をする予定がなくても、民泊に関する規定を確認しておく意味があります。
マンションによっては管理規約で民泊を禁止している場合があります。
知らない旅行者が頻繁に出入りすることを気にする人なら、どのようなルールになっているのか確認してみましょう。
物件の立地によっては、購入判断の材料の一つになります。
喫煙に関するルールも見る
喫煙についてもマンションごとにルールがあります。
特に確認したいのが、
バルコニー
共用部分
での喫煙です。
煙や臭いは隣接住戸へ流れることがあり、トラブルにつながりやすい部分です。
自分が喫煙する場合はもちろん、煙が苦手な人にとっても確認する価値があります。
ただし規約で禁止されているから絶対に誰も吸わない、とまでは言えません。
ルールと実際の生活環境は分けて考える必要があります。
ゴミ出しルールもマンションごとに違う
ゴミ出しについては自治体のルールだけでなく、マンション独自の運用があることがあります。
24時間ゴミ出し可能なマンションもあれば、出せる時間が決められているマンションもあります。
共働きなどで帰宅時間が不規則なら、意外と生活に影響する部分です。
物件広告で「24時間ゴミ出し可」と記載されている場合でも、実際のルールを確認しておくと安心です。
共用施設の利用方法も確認する
共用施設が充実したマンションなら、その利用ルールも確認してみましょう。
例えば、
ゲストルーム
パーティールーム
ラウンジ
などです。
設備があるだけではなく、
利用料金はいくらか
予約方法はどうなっているか
利用回数に制限があるか
なども重要です。
「ゲストルームがあるから両親が来たときに使える」
と思って購入しても、希望日に簡単に予約できるとは限りません。
共用施設を物件選びの決め手にするなら、利用方法まで確認しましょう。
管理費や修繕積立金についても記載されている
管理規約には費用負担に関する事項もあります。
毎月支払う、
管理費
修繕積立金
がどのような考え方で負担されるのかも重要です。
ただし、現在実際にいくら支払うのかについては物件資料なども合わせて確認します。
さらに中古マンションでは、
長期修繕計画
総会議事録
も一緒に見ることで、将来の値上げや修繕計画についてより具体的に確認できます。
規約だけでなく使用細則も読む
管理規約を確認するときに忘れたくないのが使用細則です。
管理規約がマンション運営の基本的なルールだとすれば、使用細則には日常生活に近い具体的なルールが書かれていることがあります。
例えば、
ペット
駐車場
駐輪場
共用施設
リフォーム
などです。
管理規約だけ読んで、
「禁止とは書いていないから大丈夫」
と判断しないようにしましょう。
別の細則で具体的に定められている可能性があります。
今の生活だけでなく将来も考える
管理規約を読むときは、現在の生活だけを基準にすると見落としやすくなります。
現在ペットはいない。
車もない。
子どももいない。
リフォーム予定もない。
それなら関係ない項目ばかりに見えるかもしれません。
しかしマンションを20年、30年と所有するなら生活は変わります。
将来、
犬を飼いたい
車を購入したい
子どもの自転車が増える
間取りを変更したい
となる可能性があります。
マンションそのものを気に入っているなら、「将来やりたいこと」が規約によって難しくならないかも考えてみましょう。
規約は将来変更されることもある
購入時の管理規約が永久に変わらないわけではありません。
マンションを取り巻く環境や住民の考え方が変われば、必要に応じて規約が変更されることがあります。
つまり購入時点で、
ペット可だから永遠に同じ条件
共用施設があるから永遠に同じ運用
と保証されているわけではありません。
逆に古いルールが現在の生活に合わなくなり、変更されることもあります。
そこで参考になるのが総会議事録です。
最近どのような規約変更が行われたのかを見ると、マンションが抱えている課題や運営方針が分かる場合があります。
全部読む時間がないなら自分に関係する言葉を探す
管理規約が何十ページもあると、最初から最後まで読むのは大変です。
PDFなどで検索できるなら、自分の生活に関係するキーワードを探す方法があります。
例えば、
ペット
リフォーム
専有部分
共用部分
バルコニー
窓
玄関扉
駐車場
駐輪場
楽器
民泊
事務所
喫煙
などです。
自分に関係するところから確認すれば、重要なルールを効率よく把握できます。
購入前に最低限確認したいこと
時間がない場合でも、次の項目は確認しておくと安心です。
- 専有部分と共用部分の範囲
- バルコニーの使用ルール
- ペット飼育の条件
- リフォームの制限
- 床材の条件
- 窓や玄関ドアの扱い
- 駐車場の利用条件
- 駐輪場の利用条件
- 共用廊下やアルコーブの使用
- 楽器に関するルール
- 住戸の用途制限
- 民泊に関する規定
- 共用施設の利用方法
- 使用細則など別のルールがないか
自分が特に重視する項目については、分からないまま契約しないことが大切です。
「たぶん大丈夫」で購入しない
中古マンションでは、
「みんなやっているから大丈夫でしょう」
「普通は禁止されていないと思います」
「購入してから管理会社に聞けばいいですよ」
といった曖昧な状態のまま購入しない方が安心です。
特に、
大型犬を飼いたい
大規模なリノベーションをしたい
大型車を駐車したい
仕事場として使いたい
など、購入目的に直結する条件ならなおさらです。
管理規約に書かれている内容を確認し、分からない場合には仲介会社などを通じて確認してもらいましょう。
中古マンションは部屋以外の資料も見る
中古マンションを購入するとき、多くの人が一番時間をかけるのは内見でしょう。
しかし室内を1時間見ても分からないことが、管理規約には書かれています。
さらに、
管理規約で「何ができるか」を確認する。
長期修繕計画で「これから何を直すか」を確認する。
総会議事録で「今どんな問題を話し合っているか」を確認する。
この3つを見ると、そのマンションについて得られる情報はかなり増えます。
きれいな室内や眺望だけでなく、
「購入したあと、自分が希望する暮らしを本当にできるマンションなのか」
という視点でも管理規約を確認してみてください。

