マンションの壁に付いている丸型や四角い給気口。
冬になると冷たい空気が入ってきたり、外の音が聞こえたりして、
「これ、閉めてしまっていいのでは?」
と思うことがあります。
普段ほとんど触らない設備なので、そもそも何のために付いているのか分からない人もいるかもしれません。
しかし給気口は、室内へ外気を取り込むための設備です。
特に24時間換気を使っているマンションでは、給気口を閉めることで換気のバランスが崩れることがあります。
寒いからといって全部閉じてしまう前に、給気口の役割と正しい対処方法を知っておきましょう。
- マンションの壁にある給気口は何のため?
- 24時間換気と給気口はセットで考える
- 給気口を全部閉めるのは避けたい
- 給気口を閉めると玄関ドアが重くなることも
- ドアや窓の隙間から空気が入りやすくなることもある
- 給気口を閉めると結露しやすくなる?
- 給気口から冷気が入って寒いときは?
- ベッドの近くに給気口があるとかなり気になる
- 給気口の開き具合を調整できる場合もある
- フィルターが汚れていないか確認する
- フィルターは掃除だけでなく交換も考える
- 市販のフィルターを重ねすぎない
- 給気口から外の音が聞こえる
- 騒音対策用の給気口もある
- 給気口をテープで完全にふさいでもいい?
- 給気口から虫は入ってくる?
- 給気口の外側が真っ黒になることもある
- 給気口の周りの壁が黒くなるのはなぜ?
- 給気口はどのくらいの頻度で掃除する?
- 給気口を掃除するときは型番を確認
- 給気口の位置はマンション購入前にも見ておきたい
- 家具で給気口をふさがない
- カーテンで給気口が隠れる場合もある
- 台風などでは一時的に対応が必要なこともある
- 給気口が寒いときに確認したいこと
- 給気口がうるさいときに確認したいこと
- 給気口は「邪魔な穴」ではない
マンションの壁にある給気口は何のため?
マンションの壁を見ると、
丸いフタ
四角いカバー
押すと開閉する通気口
などが設置されていることがあります。
形は製品によって違いますが、室内へ外気を取り込むための給気口として使われているものがあります。
マンションでは浴室やトイレなどに換気設備があります。
換気扇によって室内の空気を外へ排出するだけでは、室内の空気が減る一方です。
そこで給気口から外の空気を取り込み、
外から空気が入る
↓
室内を空気が移動する
↓
換気設備から外へ出る
という流れを作ります。
給気口は、ただ壁に穴が開いているわけではありません。
換気のために必要な設備の一つです。
24時間換気と給気口はセットで考える
比較的新しいマンションでは、24時間換気システムを使用していることがあります。
名前の通り、基本的に常時換気するための設備です。
ここで、
「換気扇が動いているなら給気口は閉めてもいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし空気を排出するなら、どこかから新しい空気を取り込む必要があります。
その入口の一つが給気口です。
給気口を閉じた状態で換気設備だけを動かせば、本来想定している場所から十分に空気を取り込めなくなる可能性があります。
24時間換気を使用するなら、給気側も一緒に考える必要があります。
給気口を全部閉めるのは避けたい
給気口を閉めたくなる一番の理由は、おそらく寒さでしょう。
冬に給気口の近くへ手を持っていくと、冷たい空気を感じることがあります。
「ここを閉じれば暖かくなる」
と考えるのは自然です。
ただ、寒いからといってすべての給気口を閉めてしまうと、換気に必要な空気を取り込みにくくなります。
一時的に閉じる必要がある場面は別として、日常的に全部閉めたまま生活するのは避けた方がいいでしょう。
まずは「閉める」以外の方法で不快感を減らせないか考えてみます。
給気口を閉めると玄関ドアが重くなることも
換気設備が室内の空気を外へ排出しているのに、給気口から十分な空気が入ってこない。
この状態では室内の気圧が外より低くなることがあります。
すると、
玄関ドアが開けにくい
ドアを開けると空気が一気に入ってくる
といったことが起こる場合があります。
特に気密性の高いマンションでは、空気の入口を完全にふさいでしまう影響を感じやすいことがあります。
玄関ドアが以前より重く感じる場合は、給気口の状態も確認してみましょう。
ドアや窓の隙間から空気が入りやすくなることもある
給気口を閉じても、換気設備が空気を排出し続ければ、室内にはどこかから空気が入ろうとします。
その結果、
玄関ドアの隙間
窓まわり
そのほかの隙間
など、本来の給気口以外から空気が入りやすくなる場合があります。
すると、
「給気口を閉めたのに、どこかから冷たい風が入ってくる」
という状態になることもあります。
換気設備を使いながら給気口だけ完全にふさぐことが、必ずしも寒さ対策になるとは限りません。
給気口を閉めると結露しやすくなる?
マンションの結露には、
室内外の温度差
室内の湿度
窓の断熱性能
換気状況
など複数の要因が関係します。
そのため、
「給気口を閉めたら必ず結露する」
とは言えません。
ただし換気量が不足して室内の湿気が外へ排出されにくくなれば、結露しやすい環境につながる可能性があります。
冬は、
料理
入浴
洗濯物の室内干し
加湿器
などによって室内の湿度が上がりやすい季節です。
窓の結露に悩んでいる場合は、給気口を閉じっぱなしにしていないかも確認してみましょう。
給気口から冷気が入って寒いときは?
給気口を閉めたくなる原因が寒さなら、まず冷気を感じる理由を確認します。
外の空気を取り込む設備なので、冬に冷たい空気が入ること自体は不自然ではありません。
問題は、
その冷気が直接人に当たっている
場合です。
例えば給気口のすぐ下に、
ベッド
ソファ
デスク
などがあると、冷気を感じやすくなります。
給気口を完全にふさぐ前に、家具の配置を変えられないか確認してみましょう。
ベッドの近くに給気口があるとかなり気になる
寝室では特に給気口の位置が重要です。
ベッドの頭側に給気口があると、冬の夜に冷たい空気を感じることがあります。
日中なら気にならなくても、寝ている間ずっと冷気が当たれば不快です。
これからマンションを購入する人は、内見時に、
給気口がどこにあるか
ベッドをどこに置くか
を一緒に考えてみましょう。
コンセントや収納だけでなく、給気口も家具配置に影響する設備です。
給気口の開き具合を調整できる場合もある
給気口によっては、
全開
半開
閉
など、開き具合を調整できるものがあります。
冷気が強く感じるからといって、いきなり完全に閉めるのではなく、製品の使用方法に従って調整できるか確認してみましょう。
ただし、給気口の種類やマンションの換気方式によって適切な使い方は異なります。
見た目だけでは分からない場合は、取扱説明書やマンションの資料を確認してください。
フィルターが汚れていないか確認する
給気口にはフィルターが入っていることがあります。
外の空気を取り込む場所なので、使っているうちに、
ホコリ
花粉
外気の汚れ
などが付着します。
フィルターが真っ黒になっていれば、空気が通りにくくなります。
給気口を開けているのに換気がうまくできていないように感じる場合は、フィルターの状態を確認してみましょう。
フィルターは掃除だけでなく交換も考える
フィルターは製品によって、
掃除して再利用するもの
定期的な交換を想定しているもの
などがあります。
何年も同じものを使っていると、掃除しても汚れが落ちにくくなることがあります。
交換用フィルターが販売されている製品なら、新しいものへ交換する方法もあります。
購入するときは、
給気口のメーカー
型番
フィルターのサイズ
などを確認します。
見た目が似ていてもサイズが違う場合があるので注意しましょう。
市販のフィルターを重ねすぎない
外から入るホコリや花粉が気になると、
「フィルターを何枚も付ければきれいになるのでは?」
と思うかもしれません。
しかしフィルターを増やせば、その分空気も通りにくくなります。
換気のための給気口なのに、空気がほとんど通らない状態にしてしまっては本末転倒です。
追加のフィルターを使う場合も、給気口の通気を必要以上に妨げないよう注意しましょう。
給気口から外の音が聞こえる
寒さ以外で多い不満が騒音です。
給気口は外とつながっているため、
車
バイク
電車
人の話し声
などが聞こえることがあります。
特に、
大通り沿い
線路沿い
繁華街
などでは気になる可能性があります。
窓を閉めると静かなのに、給気口から音が入ってくるように感じるケースもあります。
騒音対策用の給気口もある
外部からの音が気になる場合、給気口によっては防音を考慮した製品や部材があります。
ただし、
「うるさいから給気口を別の商品に交換しよう」
と自己判断で進めるのは注意が必要です。
給気口は外壁にも関係する設備です。
マンションでは共用部分との境界や外観に関するルールがあります。
交換を検討する場合は、管理規約を確認し、必要なら管理会社へ相談しましょう。
給気口をテープで完全にふさいでもいい?
冷気や騒音が気になると、
ビニール
テープ
断熱材
などで給気口を完全にふさぎたくなるかもしれません。
しかし日常的な対策として完全に密閉してしまうと、本来の換気を妨げます。
さらに粘着テープを長期間貼れば、
壁紙に跡が残る
給気口の表面が傷む
といった別の問題も起こります。
寒さ対策をするなら、換気を完全に止める方法ではなく、冷気が直接当たらないようにする方法を考えた方がいいでしょう。
給気口から虫は入ってくる?
外とつながっている設備なので、
「虫が入ってくるのでは?」
と心配になる人もいるでしょう。
通常はカバーやフィルターなどが設けられていますが、設備の状態や虫の大きさなどによっては絶対に入らないとは言い切れません。
虫が気になるからといって給気口を完全にふさぐより、
フィルターが正しく取り付けられているか
劣化や破損がないか
を確認する方が先です。
外側に追加対策をする場合も、マンションの共用部分に関係しないか確認しましょう。
給気口の外側が真っ黒になることもある
交通量の多い道路沿いなどでは、外側の給気口周辺が汚れることがあります。
室内側のフィルターも想像以上に汚れている場合があります。
この汚れを見ると、
「こんなところから空気を入れたくない」
と思うかもしれません。
しかし、だからといって換気そのものをやめるのではなく、
給気口を掃除する
フィルターを交換する
など、設備を適切な状態に保つことが大切です。
給気口の周りの壁が黒くなるのはなぜ?
給気口の周辺だけ壁紙が黒っぽく汚れることがあります。
外気と一緒に入ってきた微細な汚れなどが、給気口周辺へ付着することが原因の一つとして考えられます。
白い壁紙だと特に目立ちます。
放置して汚れが広がる前に、
給気口の清掃
フィルターの確認
壁まわりの掃除
をしておきましょう。
フィルターを定期的に確認するきっかけにもなります。
給気口はどのくらいの頻度で掃除する?
適切な掃除頻度は、
給気口の種類
周辺環境
使用状況
によって異なります。
交通量の多い道路沿いと、周囲に交通量が少ない住宅地では汚れ方も違います。
「半年に1回なら絶対大丈夫」と決めるより、最初は定期的に中を確認して、自宅ではどのくらいの期間で汚れるのか把握すると分かりやすいでしょう。
メーカーが清掃・交換時期を指定している場合は、その案内も確認してください。
給気口を掃除するときは型番を確認
給気口のカバーは簡単に外せるものもありますが、製品によって構造は異なります。
無理に引っ張ると、
カバーを割る
部品を破損する
可能性があります。
メーカー名や型番が分かるなら、取扱説明書を確認してから掃除すると安心です。
特にフィルターを交換するときは型番が分かると探しやすくなります。
給気口の位置はマンション購入前にも見ておきたい
給気口は地味な設備なので、マンションの内見ではほとんど気にしない人もいるでしょう。
しかし住み始めると、
冬に寒い
家具を置きにくい
外の音が聞こえる
など、意外と生活に影響します。
内見するときには、
リビングのどこにあるか
寝室のどこにあるか
家具でふさがないか
ベッドへ直接風が当たらないか
を確認してみましょう。
家具で給気口をふさがない
入居後にありがちなのが、家具を置いたら給気口が隠れてしまうケースです。
例えば、
背の高い棚
タンス
ベッドのヘッドボード
などです。
完全にふさげば空気が通りにくくなります。
間取りを考えるときは、
コンセント
エアコン
ドア
だけでなく、給気口の位置も確認しましょう。
カーテンで給気口が隠れる場合もある
窓の近くに給気口が設置されている場合、カーテンによって隠れることがあります。
完全に密着して空気の流れを妨げていないか確認してみましょう。
また、給気口から入る空気によってカーテン周辺に汚れが付きやすくなる場合もあります。
カーテンを選ぶときにも給気口との位置関係を見ておくと安心です。
台風などでは一時的に対応が必要なこともある
普段は給気口を開けていても、天候などによって一時的な対応が必要になる場合があります。
強い風雨など特殊な状況では、給気口の製品やマンションによって推奨される対応が異なります。
こうした場合は、
給気口の取扱説明書
マンションからのお知らせ
などに従いましょう。
日常的に閉めっぱなしにすることと、特殊な状況で一時的に閉めることは分けて考える必要があります。
給気口が寒いときに確認したいこと
冬に給気口からの冷気が気になるなら、まず次の点を確認してみましょう。
- 給気口のすぐ近くにベッドやソファがないか
- 開度を調整できる製品か
- フィルターが正しく取り付けられているか
- フィルターが劣化していないか
- カバーが破損していないか
- 給気口以外の場所から隙間風が入っていないか
- 24時間換気がどのような方式になっているか
いきなりテープなどで密閉するより、まず原因を切り分けてみましょう。
給気口がうるさいときに確認したいこと
外の音が気になる場合は、
- 給気口から本当に音が入っているか
- 窓からの音ではないか
- 給気口に破損がないか
- 防音に対応した部材を利用できるか
- 交換する場合に管理組合への確認が必要か
などを確認します。
特に中古マンションを購入するときは、窓を閉めた状態で室内の音を聞いてみましょう。
静かなモデルルームでは分からない、実際の周辺環境を確認できます。
給気口は「邪魔な穴」ではない
冬は寒い。
外の音が入る。
フィルターは汚れる。
給気口だけを見ると、
「なくてもいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし給気口は、室内の空気を入れ替えるための入口です。
不快だからと全部ふさいでしまうのではなく、
フィルターを掃除する
必要なら交換する
家具の配置を変える
製品に応じて開度を調整する
など、換気を維持しながら対策することが大切です。
マンションでは気密性が高いからこそ、空気の入口と出口を意識する必要があります。
普段まったく触っていない人は、一度自宅の給気口を確認してみてください。
フィルターを開けてみると、思っていた以上に汚れているかもしれません。
