子どもが元気よく遊ぶのは当たり前のこと。
しかし、マンションのように上下階の距離が近い集合住宅では、その「日常」が思わぬトラブルに発展することもあります。
「夜にドンドンという音が響いています」
「お宅のお子さん、かなり跳ねていませんか?」
こんなふうに匿名の苦情や管理会社からの通達を受けてしまった経験のある人もいるのではないでしょうか。
今回は、子どもの足音が問題になったときの考え方や対処法を、段階ごとに紹介します。
まず、相手の“感じ方”は正しいと捉える
苦情を受けると、つい「うちの子は普通に歩いているだけ」「神経質すぎるのでは?」と思いがちですが、
集合住宅では「受け手の感じ方が基準」です。
構造や階層によっては、大人が普通に歩くだけでも“ドンッ”という音が想像以上に響くこともあります。
まずは防衛的にならず、一度「不快な思いをさせてしまった事実はある」と受け止める姿勢が大切です。
すぐできる“足音対策”5つ
では、具体的にどんな対策ができるのでしょうか。大がかりなリフォームの前に、まずは以下を試してみてください。
① プレイマットやジョイントマットを敷く
子どもが遊ぶスペースだけでも、厚手のマットを敷くだけでかなり軽減されます。
② 家の中での“走る・ジャンプする”をやんわりと制限
年齢にもよりますが、「家の中では忍者歩き」と伝える家庭もあります。
③ スリッパを履かせる習慣
裸足や靴下よりも、音の吸収効果があり簡単に実践できます。
④ 家具の配置で“音の逃げ場”をつくる
家具や本棚が多いと音の反響が抑えられます。特に天井まで届く収納は効果的。
⑤ カーペットの下に防音マットを挟む
見た目も損なわず、防音効果を強化できます。
管理会社・住民との対応は“冷静さ”がカギ
もしも直接的な苦情や掲示板での注意喚起があった場合、まずは管理会社経由で話すのがベターです。
直接やり取りをすると、感情的になってしまいトラブルが拡大するケースも少なくありません。
- 「対策を始めました」と伝える
- 具体的な行動を1つでも提示する(マットを導入しました等)
これだけでも印象は大きく変わります。
建物構造も“響きやすさ”の要因に
実は、同じマンションでも“足音が響きやすい部屋”と“そうでない部屋”があります。
その違いは主に以下の通り:
- スラブ厚(床板のコンクリートの厚み)
- 直床か二重床か(直床の方が響きやすい)
- 築年数や建築基準
入居前に確認するのは難しいですが、「管理規約で禁止されている床材があるか」「過去に騒音トラブルがあったか」などは内見時に確認可能です。
騒音ゼロは不可能、“配慮”こそがカギ
マンションでの生活は、完全に音を消すことはできません。
大切なのは、「配慮している姿勢を示すこと」と「話し合いを冷静に進めること」です。
- 子どもに無理をさせすぎない
- でも、周囲への配慮は忘れない
このバランスが、穏やかな住環境を維持する鍵となります。
















