「駅近」「価格もちょうどいい」「築年数も許容範囲」――
ここまでは完璧。でも、住み始めてから感じるのが「なんかこの間取り、暮らしにくい…」というモヤモヤ。
中古マンションはすでに完成された間取りが多く、柔軟な変更が難しい分、“選ぶとき”の見極めがすべてになります。
この記事では、実際にありがちな間取りの失敗例と、それを回避するための具体的な視点を紹介します。
リビング隣の洋室、開けっぱなし前提の“実質ワンルーム化”
LDKに隣接したスライドドアの洋室。図面では「2LDK」となっていても、実際には…
- ドアを閉めると暗くて使いづらい
- 結局いつも開けっぱなし → 冷暖房効率が落ちる
- 音がダダ漏れで「個室」として使えない
という状態に。特に築20年前後の物件に多く見られる構成です。
避け方:
→ 間仕切り壁の有無や、ドアの遮音性、照明・コンセントの配置を確認。実際に「閉めたときに一人で使えるか」を想像しましょう。
廊下が長すぎる&狭すぎる、“無駄な動線”の罠
廊下が長い物件は、空間の使い勝手だけでなく…
- 冷暖房が効きにくい
- 家具が運びにくい
- 清掃の手間がかかる
など地味にストレス要因に。とくに築年数の古い“田の字型”間取りの物件に多く見られます。
避け方:
→ 間取り図で“水まわりが端に集まりすぎていないか”を確認。LDKから脱衣所までの距離が極端に長い場合は注意。
収納スペースはあるけど「使いづらい」
意外と多いのが、“収納はあるのに散らかる家”。その理由は、
- 奥行きが深すぎて奥の物が取り出しづらい
- クローゼット内のポール位置が高すぎて使いにくい
- 扉が大きすぎて、家具の配置と干渉する
など、「容量」ではなく「使いやすさ」で失敗するケースです。
避け方:
→ 収納の中に実際に頭を突っ込んでチェック。“どう使うか”まで想像できる収納かどうかがポイントです。
洗面・脱衣所が狭すぎる/動線が悪い
洗濯機置き場と洗面台がギチギチ。ドアを開けたら人がすれ違えない。
そんな“脱衣所ストレス”は、図面だけでは判断しづらいポイントの代表格です。
また、キッチン→洗濯→干す(ベランダ)までの家事動線が不自然な物件も要注意。
避け方:
→ 内見時に実際にドアを開閉、洗濯動作をシミュレーション。「朝の混雑」が起きそうな場所は重点的にチェック。
キッチンが孤立しすぎて、家族との距離ができる
築年数の古いマンションでは、独立型キッチンの物件が多く、
- 家族の様子が見えない
- 匂いや音がこもる
- 窓がなく湿気がたまりやすい
という“台所が閉じた空間”になりがちです。
避け方:
→ キッチンからリビングが見渡せるか、窓や換気の状態はどうかを重視。コミュニケーションと衛生の両方に直結します。
「図面通りの間取り」では暮らせない
中古マンションは価格や立地だけでなく、「間取りの実用性」が満足度を大きく左右します。
- 「部屋数が多い=快適」ではない
- 「収納が多い=片付く」でもない
- 「広く見える=使いやすい」とも限らない
間取り図だけで決めず、実際の生活をできる限りシミュレーションしてから判断することが、後悔を防ぐ最大のコツです。




