リセールバリューを意識しよう
マンションを購入する際、「住み心地」や「間取り」「周辺環境」ばかりに目が行きがちです。
もちろんそれらは大切ですが、もうひとつ忘れてはいけない視点があります。
それが――
**「将来、この物件は売れるのか?」**という視点、つまり「出口戦略」です。
ライフスタイルの変化、転勤、家族構成の変化、あるいは老後の住み替え。
理由はさまざまですが、「買ったけれど、売れない」「想定よりも安くしか売れない」では困ります。
この記事では、将来も“価値を維持できる”マンションの見極め方を紹介します。
出口戦略とは?
不動産の“出口戦略”とは、将来的に物件を売却または貸し出す時のことまで考えて購入する姿勢を指します。
- 希望の価格で売れるか
- 購入希望者が見つかりやすいか
- 投資的な価値がどれだけ残るか
…といった視点が重要です。
買うときは自分主体でも、売るときは“他人から見て魅力があるかどうか”がカギになります。
将来売りやすいマンションの特徴
駅から近い(徒歩10分以内が理想)
中古市場では、「駅近」は今も圧倒的に人気です。
徒歩15分と10分では、価格にも売却スピードにも大きな差が出ます。
- 将来の高齢化を見越しても、駅近は強い
- 駅周辺の再開発予定も確認できるとベター
周辺環境に“伸びしろ”がある
スーパー、病院、保育園、学校、公園…。
これらの充実度はもちろん、今後さらに利便性が高まりそうなエリアかを確認しましょう。
- 再開発エリア・大学の誘致・大型施設の計画などがあればプラス評価
- 将来の“街の価値”が物件価値にも連動します
管理状態が良く、積立金が適正
将来の買い手は、「このマンションはちゃんと手入れされてるか?」を見ています。
- 清掃の丁寧さ、エントランスや共用部の劣化状況
- 修繕積立金が適正か(安すぎると後から値上がりリスク)
- 管理組合が機能しているか
→ これらが“買い手の不安”を減らす要素になります。
汎用性の高い間取り
奇抜なデザインよりも、どんな家族構成にも対応しやすいベーシックな間取りが後々有利です。
- 2LDK〜3LDKが最も需要が高い
- 居室がすべて洋室/収納が充実/水回りの位置が合理的 など
→ “どんな人でも住めそう”という印象が重要。
売却しづらい物件の例
逆に、将来売りにくい可能性が高い物件の特徴も押さえておきましょう。
- 駅から遠い、坂道が多い
- バス便のみ(特に本数が少ない)
- ワンルーム/4LDK以上など、ターゲットが限定される
- 商業施設と直結していて管理費が高すぎる
- 管理がずさん、修繕積立金が著しく不足している
- 線路沿い・高速道路沿いなどで騒音が強い
→ 自分が「ちょっと気になる」と思った点は、将来の買い手も同じように思うかもしれません。
買うときから“売るとき”を想定する
マンション購入はゴールではなく、あくまで通過点です。
人生の変化に柔軟に対応するためにも、「将来売れるかどうか」を事前に見ておくことは、とても大事な備えになります。
- 「この物件、他の人から見ても魅力あるかな?」
- 「将来、借り手・買い手はつくだろうか?」
- 「10年後も価値が大きく落ちない立地か?」
そんな視点を持つことで、買った後の選択肢がぐっと広がります。
“住みたい”と“売れる”は、必ずしも一致しません。
そのバランスを意識して、後悔しないマンション選びをしましょう。