「いつか来る地震、マンションは本当に大丈夫?」構造・備え・落とし穴

生活・暮らし
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はじめに

大きな地震のたびに、「自分の住んでいるマンション、大丈夫かな?」と不安になる方は多いはずです。
マンションは戸建てよりも頑丈というイメージがありますが、**“どのような構造か”“何階に住んでいるか”“日頃の備えがあるか”**によって、安全性や被害の大きさは大きく変わります。
今回は、マンションで地震に備えるうえで知っておきたい構造・対策・見落としがちな盲点をまとめました。


あなたのマンションは「耐震」「制震」「免震」のどれ?

マンションの耐震性能は主に以下の3種類に分かれます。

耐震構造

建物自体の強さで揺れに耐える最も一般的な構造。2000年以降の新耐震基準に沿っていれば、震度6〜7程度でも倒壊しない設計。

制震構造

揺れを吸収するダンパー(装置)が組み込まれており、建物の損傷を軽減。高層マンションによく使われます。

免震構造

建物と地面の間に特殊な装置を入れて揺れを建物に伝えにくくする仕組み。揺れそのものが大幅に減る分、家具の転倒や二次被害も起きにくいですが、コストが高く導入は限定的。

→ 管理組合の資料やパンフレットで自宅の構造を確認しておくと安心です。


高層階は「揺れが増幅する」って本当?

はい、本当です。
地震の揺れは建物の高さと共に増幅し、ゆっくり・長く揺れる傾向があります。
これは“長周期地震動”と呼ばれ、10階以上の住戸では棚の中身が飛び出す・家具が大きく揺れるといった被害が出やすくなります。

対策の一例:

  • 背の高い家具はL字金具で固定
  • 食器棚・本棚の扉には飛び出し防止ストッパーを
  • 寝室には極力家具を置かない

共用部にも“落とし穴”がある

マンションは個別の部屋だけでなく、共用部の安全性も非常に重要です。

要注意ポイント:

  • エレベーターは地震時自動停止。地上階でないと閉じ込めリスクも。
  • 階段が暗い・物が置かれていると避難に支障
  • 非常口が使えない(鍵が閉まっている、塞がれている)こともある

→ 一度、非常階段や非常口まで“実際に歩いて”確認しておくと安心です。


備蓄だけでは足りない「地震時の生活動線」

地震直後に本当に困るのは、“生活の続きができないこと”です。
特にマンションでは次のようなトラブルが起きがちです:

  • 水が止まる(ポンプ停止による断水)
  • トイレが流せない(排水管トラブル)
  • 停電でエアコン・冷蔵庫が使用不能

対策アイデア:

  • トイレ用非常袋(凝固剤+ビニール)を人数分備蓄
  • 飲料水だけでなく生活用水(風呂水やポリタンク)も確保
  • ベランダの排水口を定期的に掃除して水害リスクを軽減

管理組合と「防災ルール」を確認しておく

いざという時、住民同士で協力できるかどうかが安心感を左右します。

  • 災害時の集合場所
  • 非常用電源や水の備蓄の有無
  • 隣室との声かけルール
  • 救助対応マニュアルの有無

→ 管理組合の総会資料や防災訓練の案内に目を通しておくだけでも大きな違いです。


まとめ

「マンションだから安全」ではなく、「どんな構造か」「どんな階に住んでいるか」「どこまで備えているか」によって、地震の影響は大きく変わります。

見直すべき5つのポイント:

  1. 自宅の構造タイプ(耐震・制震・免震)を知る
  2. 高層階ほど“揺れやすい”という前提で家具を固定
  3. 共用部(エレベーター・階段・避難口)の確認
  4. 水・トイレ・電気など“生活の続き”に備える
  5. 管理組合と災害時の役割やルールを把握しておく

備えは“今の平常時”だからこそ整えられるもの。未来の安心をつくるために、今日できることから始めましょう。

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