結露のリスク
冬になると、朝起きて窓を見たときにビッショリと濡れている――
そんな“結露”のある風景は、多くのマンション住まいで日常的な光景です。
「まあ雑巾で拭けばいいか」「すぐ乾くし大丈夫」と軽く考えてしまいがちですが、実は結露は単なる水滴ではありません。
拭き取らずに放置してしまうと、知らぬ間に住まいのあちこちで目に見えない問題が進行している可能性があるのです。
この記事では、マンションの窓まわりに発生する結露がもたらす4つの見えないリスクについて、具体的な事例とともに解説します。
カビの発生:静かに広がる健康リスク
結露が生じるということは、そこに「水分が継続的に存在する」ということです。
窓ガラスやサッシのわずかな隙間に残った水滴は、カビの温床になります。
特に危険なのは以下の場所です:
- サッシのゴムパッキン
- カーテンの裏側や裾
- 壁紙の端や窓枠の接地面
一度カビが生えると目に見えなくても胞子が空気中に飛散し、喘息やアレルギーなどの健康被害を引き起こすこともあります。
また、カーテンや家具にもカビ臭が染みつき、生活全体の快適度が低下する原因に。
木部・壁紙の腐食:見えない場所で進むダメージ
水分は建材にとって天敵です。
毎朝結露を放置していると、窓まわりの木製フレームや壁紙に水分が徐々に浸透し、変色・剥がれ・腐食などを引き起こします。
- 壁紙が浮いてくる
- 木製の窓枠が変色・カビだらけになる
- さらに下地の石膏ボードまで濡れてしまいカビが進行する
こうした劣化はすぐには気づきにくく、ある日突然リフォームが必要になるケースもあります。
築浅の物件でも油断せず、早めの対策が肝心です。
においの発生:湿気が暮らしの空気を変える
結露で濡れた窓まわりを放置すると、湿った空気が室内全体にこもるようになります。
この湿気によって、カーテン・ソファ・衣類などの布製品に独特の湿気臭やカビ臭が染みつくことがあります。
来客時に「ちょっとこの部屋、におうな」と感じさせてしまうのも、結露由来のにおいが原因であることも。
除湿器や空気清浄機を併用し、空気の循環と乾燥を意識的に行うことが大切です。
光熱費の増加:断熱性能の低下がもたらす負の連鎖
結露が頻繁に発生するということは、窓の断熱性能が十分でないサインでもあります。
外気と内気の温度差によって結露が起こるわけですから、窓やサッシが熱を通しやすい状態にある可能性が高いのです。
その結果:
- エアコンで室温を保つのに時間がかかる
- 暖房を強めにしないと寒い
- 電気代・ガス代がかさむ
つまり、結露は快適さだけでなく“家計”にもじわじわ影響してくるのです。
結露を防ぐためにできること
結露を完全にゼロにするのは難しいですが、日々のちょっとした工夫で大きく軽減することは可能です。
- 窓に断熱シートや結露防止フィルムを貼る
- カーテンを開けて通気を確保
- サーキュレーターや換気扇で空気を回す
- 室内の湿度を50〜60%に保つ(湿度計の設置も有効)
- 可能であれば内窓(二重窓)を検討する
また、結露を発見したらなるべく早く拭き取ることも非常に重要です。
毎朝のルーティンにしておくことで、ダメージの進行を防げます。