役員選出のルールと断れない事情
マンションに住み始めてしばらくすると、ポストにこんな紙が入っていることがあります。
「○○様、来期の理事候補としてご協力をお願い申し上げます。」
…え? 理事会? 会長? 私が?
こうした“突然のご指名”に戸惑う方は少なくありません。
今回は、**マンションの理事会役員って実際どう決まるの?断れるの?どんな仕事があるの?**という疑問に答えながら、「避けられない理由」も含めて解説します。
理事会とは何か?
理事会は、マンションの管理組合を運営するための執行機関です。
住民の代表として、以下のような重要な役割を担います。
- 管理会社との打ち合わせ
- 修繕や工事の計画・承認
- 年次総会の開催
- 住民からの苦情対応(騒音・ゴミ出し等)
つまり、“マンションを良好に維持する”ための自治運営の中心といえる存在です。
理事の選出方法
多くのマンションでは、管理規約に基づいて理事が選ばれるルールが定められています。
代表的なパターンは以下の通り:
- 輪番制(持ち回り):部屋番号順や階層順に、順番で自動的に指名される
- 立候補・推薦制:自ら手を挙げるか、他の住民の推薦で決まる
- 抽選制:候補者が複数の場合、くじ引きや投票で選出される
中でも「輪番制」の物件では、“順番が来たら基本的に断れない”空気が強いのが現実です。
断ることはできるの?
原則として、理事の就任は**“善管注意義務(善良な管理者の注意義務)”に基づく住民の責任**とされます。
とはいえ、以下のような事情があれば断れるケースもあります。
- 長期出張・単身赴任・転勤予定がある
- 高齢・病気などで身体的に困難
- すでに他の役職に就いている(監事など)
ただし、「忙しいから」「やりたくないから」では断りづらい雰囲気があるのも事実。
特に住民が少ないマンションでは、1度は必ず回ってくると考えたほうがよいでしょう。
理事になると何をするの?
多くのケースでは、役員任期は1年間。
仕事内容はマンションや管理会社の対応方針によって異なりますが、基本的には以下のようなものです。
- 月1回程度の理事会に出席
- 年1回の総会に向けた資料確認・準備
- 掲示物や配布物のチェック
- 修繕工事の説明会参加など
→ 管理会社がしっかりしていれば、負担は意外と軽いこともあります。
ただし、「理事長」や「会計担当」に選ばれると業務が増える傾向があります。