マンションの間取り図を見ていると、エレベーターのすぐ横や正面にある住戸があります。
駅からの距離や日当たり、間取りは気にしても、「エレベーターから何部屋離れているか」まで確認する人はそれほど多くないかもしれません。
ところが毎日暮らすとなると、エレベーターとの位置関係は意外と無視できません。
「機械音が部屋まで聞こえるのでは?」
「人が頻繁に通って落ち着かない?」
と心配になる一方で、玄関を出てすぐエレベーターに乗れる便利さもあります。
エレベーター近くの部屋は本当に避けるべきなのか、購入前に確認しておきたいポイントを見ていきます。
一番気になるのはエレベーターの音
エレベーターの近くと聞いて、まず気になるのが音ではないでしょうか。
エレベーターは動く設備なので、当然ながら完全な無音ではありません。
ただし、
「エレベーターの隣だから必ずうるさい」
とまでは言えません。
建物の構造やエレベーターの種類、住戸との間にどのような空間があるかによって、室内で感じる音は大きく変わります。
特に確認したいのは、エレベーター側の壁の向こうに何があるかです。
廊下や収納、玄関などを挟んでいれば、居室が直接エレベーター側に接している場合とは条件が違います。
間取り図を見るときは、単に「エレベーターに近いか」だけでなく、寝室やリビングとの位置関係まで確認してみましょう。
エレベーターホールの話し声もある
機械そのものの音以外にもあります。
エレベーターを待っている人の話し声です。
家族や友人同士でエレベーターを待っていれば、普通に会話をします。
深夜に帰宅した人が廊下で話すこともあるでしょう。
玄関ドアのすぐ近くがエレベーターホールになっている住戸では、こうした生活音が気になる可能性があります。
特に外廊下タイプでは、住戸とエレベーターを待つスペースとの距離を実際に確認しておきたいところです。
人通りは多くなりやすい
同じフロアの住民がエレベーターを利用するマンションなら、エレベーター周辺は当然、人が集まりやすくなります。
エレベーターの正面に玄関があると、ドアを開けた瞬間に待っている人と目が合うこともあります。
気にならない人には小さな問題ですが、
「玄関を開けたところをあまり見られたくない」
という人には気になるポイントです。
玄関ドアを開けたときに室内の奥まで見えやすい間取りなら、なおさら確認しておきたいところです。
エレベーターの到着音が聞こえる場合も
エレベーターによっては、到着時にチャイムや音声案内が流れます。
日中はまったく気にならなくても、周囲が静かになる深夜には音を感じやすくなることがあります。
ここで難しいのが、昼間の内見だけでは判断しにくいことです。
内見中は担当者と話していますし、外からの生活音も多いため、普段より音に気付きにくくなります。
中古マンションなら、できれば室内で少し静かにして、エレベーターが動いたときの音を確認してみましょう。
エレベーター近くには大きなメリットもある
ここまでデメリットを挙げましたが、エレベーターの近くには分かりやすいメリットがあります。
とにかく移動が楽です。
玄関を出て数歩でエレベーターに乗れる住戸なら、毎日の小さな移動時間を減らせます。
特に便利さを感じやすいのが、
買い物で荷物が多いとき
ベビーカーを使うとき
旅行でスーツケースを持っているとき
ゴミを運ぶとき
足腰が弱くなったとき
などです。
マンションの規模が大きいほど、エレベーターから離れた住戸では意外と長い廊下を歩くことがあります。
毎日何度も通る場所なので、「エレベーターまで近い」は思っている以上に実用的なメリットです。
高層階ほど近さがありがたいことも
低層階なら階段という選択肢があります。
一方、10階、20階と高くなれば、日常的な移動はほぼエレベーター頼みになります。
そのため高層階では、
「玄関からエレベーターまでの距離」
も毎日の動線の一部になります。
大規模なタワーマンションなどではエレベーターが複数あり、低層階用・高層階用などに分かれていることもあります。
部屋から最寄りのエレベーターまで実際に歩いてみると、図面だけでは分からなかった距離感が見えてきます。
防犯面はどう考える?
人通りが多いことは、プライバシー面ではデメリットになる一方、見方を変えれば人目がある場所とも言えます。
エレベーターホール周辺には防犯カメラが設置されているマンションもあります。
ただし、「エレベーター近くだから防犯性が高い」と単純に判断するのはおすすめしません。
オートロック、防犯カメラ、エレベーターのセキュリティ、玄関鍵など、マンション全体の防犯設備をまとめて確認しましょう。
エレベーターの正面と横でも違う
「エレベーターまで5メートル」という距離が同じでも、位置関係によって印象は変わります。
例えば玄関がエレベーターの真正面にある住戸。
エレベーターが開くたびに玄関が視界に入りやすくなります。
一方、エレベーターホールから角を一つ曲がった場所に玄関があれば、距離は近くても人の視線は気になりにくくなります。
マンション選びでは距離だけでなく、エレベーターを降りた人から自宅玄関がどう見えるかも確認してみてください。
ゴミ置き場との動線も見ておきたい
エレベーターだけを見るのではなく、ゴミ置き場との位置関係も重要です。
各階にゴミステーションがあるマンションなら、エレベーター周辺に配置されていることがあります。
1階などに共用のゴミ置き場があるマンションなら、ゴミを持ってエレベーターに乗ることになります。
エレベーター近くの住戸なら移動距離は短くなります。
一方で、同じフロアの住民がゴミを持って自宅前を頻繁に通る配置になっていることもあります。
共用廊下の図面を見るときは、エレベーターだけでなく階段やゴミ置き場も一緒に確認すると、実際の人の流れを想像しやすくなります。
朝の混雑も確認したい
戸数が多いマンションでは、朝の通勤・通学時間帯にエレベーターが混雑することがあります。
これはエレベーター近くの住戸だけの問題ではありませんが、マンション購入時には確認しておきたいポイントです。
特に高層マンションでは、
何基設置されているか
自分の階では何基利用できるか
非常用エレベーターはどう扱われているか
などによって使い勝手が変わります。
「部屋からエレベーターまで近い」ことと、「すぐエレベーターに乗れる」ことは同じではありません。
中古マンションなら現地で確認しやすい
新築マンションでは、完成前に購入することもあります。
その場合、エレベーターの実際の動作音や廊下の雰囲気を確認できないことがあります。
中古マンションには、この点でメリットがあります。
すでに建物が完成しているため、
エレベーターを実際に動かす
エレベーターホールに立つ
玄関前からの見え方を確認する
室内で動作音を聞く
エレベーターから部屋まで歩く
といった確認ができます。
内見では室内の設備ばかり見てしまいがちですが、マンションの場合は玄関を出てからエントランスまでの共用部分も生活空間の一部です。
数分余計に時間を使って確認しておく価値があります。
エレベーター近くの部屋が向いている人
エレベーターとの距離を重視した方がいいのは、移動のしやすさを求める人です。
買い物の荷物が多い家庭や、小さな子どもがいる家庭、高層階を検討している人には便利でしょう。
将来的に長く住む予定なら、年齢を重ねたときの移動も考えておきたいところです。
反対に、音にかなり敏感な人や、玄関前を人が通ることを強く気にする人なら、エレベーターから少し離れた住戸の方が落ち着く可能性があります。
「近い=ハズレ」と決めつけなくていい
マンションの口コミなどを見ると、
「エレベーター横の部屋は避けた方がいい」
という意見を見かけることがあります。
しかし、エレベーターとの位置関係だけで住み心地が決まるわけではありません。
壁や間取り、廊下の形状、エレベーターの設備など条件はマンションごとに違います。
そして、エレベーターまで近いこと自体は明確なメリットでもあります。
重要なのは、「エレベーター横かどうか」という二択ではなく、
寝室との位置関係
玄関前の人通り
実際の動作音
玄関からエレベーターまでの動線
を確認することです。
中古マンションなら内見時にかなり確認できます。
間取りや日当たりだけでなく、玄関の外にも少し目を向けてみてください。
毎日使うエレベーターだからこそ、住み始めてからの満足度に意外と影響するポイントです。

