マンションを購入するとき、「エアコンをどこに付けるか」は確認していても、室外機のことまで細かく見ている人は少ないかもしれません。
リビングにはエアコン用のコンセントがある。壁には配管用の穴もある。
これなら問題なく設置できそうに見えます。
ところが実際にエアコンを購入しようとすると、
「室外機が置けない」
「この機種だとサイズが厳しい」
「配管が思っていたより長くなる」
といった問題が出てくることがあります。
特にマンションでは、室外機を好きな場所に置けるわけではありません。
エアコン本体の性能や価格だけでなく、室外機まで含めて考えておくことが大切です。
エアコンは室内機だけでは設置できない
家電量販店でエアコンを見ると、当然ながら室内機が主役です。
幅や高さ、暖房能力、省エネ性能などを比較して機種を選びます。
しかし家庭用のエアコンは、基本的に室内機と室外機をセットで使用します。
室内機を設置できても、室外機を適切な場所へ置けなければ工事できません。
マンションでは一般的に、
ベランダ
共用廊下側の専用スペース
サービスバルコニー
などに室外機置き場があります。
物件によっては図面に「室外機置場」と記載されていることもあります。
まずは、自宅の各部屋のエアコンに対応する室外機をどこへ置く設計になっているのか確認してみましょう。
室外機には意外と奥行きがある
室外機というと横幅ばかり気になりますが、奥行きも重要です。
最近の高性能なエアコンでは、室外機もそれなりの大きさになる製品があります。
「今置いてある室外機が入っているから、新しいエアコンも大丈夫」
とは限りません。
買い替える機種によって室外機の寸法は変わります。
しかも必要なのは、本体がギリギリ収まるスペースだけではありません。
室外機は周囲の空気を取り込み、熱を外へ放出します。
そのため製品ごとに、設置時に必要となる周囲のスペースが指定されています。
購入前にはエアコンのカタログや取扱説明書、据付説明書などで設置条件まで確認する必要があります。
ベランダが狭いマンションは要注意
室外機が問題になりやすいのが、奥行きの狭いベランダです。
室外機を置くこと自体はできても、その前を人が通りにくくなる場合があります。
ベランダでは、
洗濯物を干す
窓を掃除する
排水口を掃除する
避難経路として使用する
といったことがあります。
室外機を設置した結果、ベランダの使い勝手が大きく悪くなる可能性もあります。
中古マンションを内見するときは、室外機が置かれている状態で「残りの通路幅」を見ておくとイメージしやすいでしょう。
避難ハッチの上には置けない
マンションのベランダには避難ハッチが設置されている住戸があります。
当然ですが、その上を室外機でふさいでしまうわけにはいきません。
避難時に使用する設備なので、すぐに利用できる状態を維持する必要があります。
同じように、隣の住戸との境界にある避難用の隔て板周辺にも注意が必要です。
「室外機が置ける空間が余っている」
ように見えても、そこが避難経路になっている可能性があります。
室外機の位置を変更したい場合には、マンションの管理規約や使用細則も確認しましょう。
リビングより洋室の室外機置き場を確認したい
リビングはベランダに面していることが多いため、室外機の設置場所も分かりやすい傾向があります。
意外と見落としやすいのが、玄関側の洋室です。
共用廊下側に窓があり、その部屋にもエアコン用のコンセントが付いている。
では、室外機はどこに置くのでしょうか。
マンションによっては、共用廊下側に室外機用のスペースが設けられています。
一方、建物の構造によっては配管を別の場所まで通す必要があります。
中古マンションの内見では「エアコンが付いていない部屋」こそ注意して見てください。
コンセントだけを確認して安心せず、室外機の設置場所までセットで確認することが重要です。
配管を通す穴もチェックする
エアコンを設置するには、室内機と室外機を配管などでつなぐ必要があります。
そのため壁には配管を通すための穴、いわゆるエアコンスリーブが設けられていることがあります。
これも内見時に確認しておきたい設備です。
特に注意したいのが、
「エアコン用コンセントはあるのに、配管はどうやって外まで出すのだろう?」
という部屋です。
特殊な配管工事が必要になると、標準的なエアコン設置工事では対応できず、追加工事が必要になることがあります。
隠蔽配管のマンションもある
マンションによっては、エアコンの配管が壁や天井などの内部を通る「隠蔽配管」になっていることがあります。
配管が室内に露出しにくいため、見た目がすっきりするのはメリットです。
ただし、エアコンを買い替えるときには注意が必要です。
既存配管の状態や仕様、設置するエアコンとの組み合わせによっては、そのまま利用できるとは限りません。
家電量販店でエアコンを注文してから、
「隠蔽配管なので通常工事では取り付けできません」
となると面倒です。
自宅が隠蔽配管か分からない場合は、購入前に管理会社やエアコン工事業者へ確認しておくと安心です。
室外機を二段に置く方法もある
ベランダに複数台の室外機を設置する場合、スペースが足りなくなることがあります。
そこで使われることがあるのが二段置き用の架台です。
室外機を上下に配置することで、限られた床面積を活用できます。
ただし、
「場所が足りないなら二段にすれば解決」
と単純に考えない方がいいでしょう。
室外機の重量や寸法、設置条件などを確認する必要があります。
マンション側のルールもあります。
二段置きを検討するなら、エアコン購入時に施工業者へ現場を確認してもらうのが確実です。
室外機の風も意外な問題になる
冷房を使用しているとき、室外機からは熱を持った空気が吹き出します。
室外機の前に十分な空間がなかったり、物を置いてふさいでいたりすると、放熱の妨げになります。
また、室外機の風がベランダで育てている植物などに直接当たる配置も避けたいところです。
「室外機の前が空いているか」は購入時だけでなく、入居後のベランダ収納を考えるときにも意識しておきましょう。
室外機の前に収納ボックスを置いてしまい、知らないうちに空気の流れを邪魔していることもあります。
室外機の音や振動が気になることもある
エアコンを運転すれば、室外機も動きます。
特に暖房時などは室外機の運転音が気になることがあります。
正常な運転音なら問題ありませんが、
ガタガタする
以前より大きな音がする
ベランダまで振動する
といった場合は確認が必要です。
室外機が傾いていたり、設置状態に問題があったりする可能性もあります。
自分の部屋では気にならなくても、設置場所によっては隣接住戸との騒音トラブルにつながることも考えられます。
異常な音や振動を感じたら、放置せず点検を検討しましょう。
エアコンを大型化するときも注意
「せっかく買い替えるなら、今より能力の高いエアコンにしよう」
と考えることがあります。
しかし、大容量のエアコンになるほど室外機も大きくなるとは限らないものの、機種によって寸法はかなり違います。
室内機の幅だけ測って購入するのは危険です。
特に室外機置き場が狭いマンションでは、
室内機の寸法
室外機の寸法
設置に必要なスペース
配管経路
電源
まで確認して機種を選ぶ必要があります。
家電量販店の標準工事だけで設置できるかどうかも、購入前に確認しておくと安心です。
マンションでは勝手に穴を開けない
室外機まで配管を通す場所がないからといって、外壁へ勝手に穴を開けることは避けましょう。
マンションの外壁は共用部分に該当することが一般的です。
建物の構造や防水にも関係します。
「自分の部屋の壁だから穴を開けても大丈夫」と戸建て感覚で判断してはいけません。
既存のエアコンスリーブで対応できない工事を行う場合は、管理会社や管理組合への確認が必要です。
中古マンションの内見ではエアコンのない部屋を見る
中古マンションを内見すると、すでにエアコンが設置されている部屋には安心感があります。
少なくとも、その場所にエアコンを設置できていた実績があるからです。
むしろ注意したいのはエアコンが付いていない部屋。
「ここを子ども部屋にしよう」
「将来は寝室にしよう」
と思っているなら、
エアコン用コンセントはあるか
配管穴はあるか
室外機はどこに置くのか
を確認してください。
真夏になってからエアコンを購入しようとして、簡単には設置できないことが分かると困ります。
エアコン選びは「室外機」から始めてもいい
エアコンを買うときは、室内機のデザインや機能から選びたくなります。
しかしマンション、特に室外機置き場が狭い物件では逆に考えてみるのもおすすめです。
まず室外機置き場の寸法を測る。
次に配管経路を確認する。
その条件で設置できる機種の中からエアコンを選ぶ。
この順番なら、購入後に「置けなかった」という失敗を減らせます。
マンションの設備を見るとき、どうしても室内ばかりに目が向きます。
エアコンについては、ベランダや共用廊下側まで歩いて、室外機の置き場所も確認してみてください。
数年後の買い替えまで考えると、意外と重要なチェックポイントです。

